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「皮」と「革」

「皮」と「革」

皆さんもご存じかと思いますが、皮(動物などの皮表面)加工する前と、認識いただければと思います。「革」となると、皮から加工されたものと想像される方が多いのでは、と思います。

皮から革へと変化させていく技法のご紹介です。    

動物の皮はコラーゲン繊維、弾性繊維、糖たんぱく質、プロテオグリカン、水などで形状を柔らかさを保っています。それが剝皮されて皮だけになると腐敗するか、そのまま乾燥するとしだいに水分がぬけていき、繊維同士が付着して(膠着という)つまり硬くなってしまいます。

そこで、皮から革として不要な組織や成分を除去する準備作業を経たあとに、皮を革に変換する

「いわゆる革らしさ」をあたえる「なめし」という作業を行います。

ただし、なめしの工程には様々な方法があり、目的とする用途によって選択されます。また、生産される国によって、独自になめしの技法が発展してきたともいえます。

「クロムなめし」

現在、最も一般的に行われている技法。皮を塩基性硫酸クロム塩で処理することによって、コラーゲン繊維同士を結合し安定化する。クロムなめしで処理された革は、耐久性や耐熱性、柔軟性にも優れており、染色しやすいことから様々な用途の革に向いています。クロムなめしの革は薬品の化学反応で青く染まる。この状態を「ウエットブルー」と呼ぶこともあります。

「タンニンなめし」(植物タンニンなめし)

古くは、植物の樹皮や幹、葉、実などを粉砕し、皮とともに水に浸して鞣していました。その後、植物タンニンエキスを抽出し、皮を漬け込む方法が行われ、現在でも行われている。タンニンなめしで処理されると革の表裏、断面ともに使用したタンニンの色となります。伸びが少なく、可逆性に優れ、丈夫で型崩れしにくく、使い込むほどに独特の味が生まれます。底革、ぬめ革、サドル革、馬具用、工業用、クラフト革(手芸用)等の製造に利用され、鞄など形状を保たせたい製品にむいています。紀元前から続くなめし方法のひとつで、日本には明治時代に伝えられました。これらの方法はいずれも長い時間をかけてなめしを行うものでありました。現在は、前なめし剤を使ってドラム(たいこ)革をたいこに入れくるくるをかきまぜて短時間のタンニンなめしも行われている。

革1枚の価格も、この工程でどんなものかによって大きく変わります。やはり手間のかかっている革は価格もあがりますが、丈夫で味のある革となっている場合、どんな製品を製作してもその風合いは伝わってくるのではないのでしょうか?

「WithFOREST VOL.6」

 

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